太宰疎開の家朗読会2014のその2、
昨日の朗読会、昨夜投稿の続きとなります。

朗読会ポス_600
1部2作品の後、休憩しての第2部、
朗読会2014 (1)_600
作品は“竹青”、チクセイは女性の名前です。カラスのですね。
中国の“聊斎志異”が話の基となる小説だそうで、太宰の創作が評価されている作品でもあるらしい。
まぁ、私には難しいことですが、結末が大きく異なるようです。
もちろん、「カラスの世はいいなぁ」という小説でもありません。


作品には朗読では聞き取りにくい難しい言葉が出てくるため、原さんが事前に作品のイメージを与えてくれました。
朗読会2014 (7)_600

作品は難しい言葉も出てきますが、太宰の文調の上手さというか、怒涛のような太宰調を、
原さんが朗読で負けずに、リズム良く滑らかにストーリーを進めてくれます。
活字の見えない難しい言葉を飛ばしても、すぐにストーリーについていけます。そこは原さんの朗読の技法でしょうか。

そして、カラスの竹青と魚容のやりとり部分は、原さんすばらしく上手く綺麗です。竹青の強さと母性を感じる言葉なんかはカラスに惚れ込んでしまいそうな朗読です。

魚容をカラスの世界から故郷へ帰すために言った、最後の竹青の言葉、
「人間は一生、人間の愛憎の中で苦しまなければならぬものです。のがれ出る事は出来ません。忍んで、努力を積むだけです。学問も結構ですが、やたらに脱俗を衒てらうのは卑怯です。もっと、むきになって、この俗世間を愛惜し、愁殺し、一生そこに没頭してみて下さい。神は、そのような人間の姿を一ばん愛しています。」

原さんは、結末に太宰らしさが少し足りないと感じている様ですが、
原作と大きく異なる平凡な結末にした太宰のねらいが何かが難しいのでしょうかね。

私には全くですが、
最高の幸せをつかむ結末としたら、醸し出す美しさが小さくなるような気もします。
家族の平凡に平和な結末に、見えない美しさを感じることかも知れません。

今年もまた生誕の日に開催してくれた白川さんと原さんに感謝です。


そして、今日夕方の岩木山です。
岩木山6-20_600


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