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2013.06.20
太宰朗読会2013の2
朗読会の続き。

“貨幣”の朗読の余韻をまだ感じます。
“貨幣”を選択したのは白川さんの希望だったようです。

会場に掛けられた貨幣パネルに添えられた言葉、

そして、「葉桜と魔笛」で感動した原さんの“素語り”での“貨幣”でした。
作品は、貨幣から見た人間が描かれています。そして貨幣は当然女性ですね。原さん曰く「わたし」。
「異国語においては、名詞にそれぞれ男女の性別あり。然して、貨幣を女性名詞とす。」
から始まります。
この作品、出だしはとても身近な作品のようにも感じていましたが、原さんの素語りにどんどん入っていくと、とても大きな舞台での語りのような、スケールの大きい舞台を見ているような気分に感じます。
貨幣が次々と持ち主が変わっていくことで、その“わたし”が太宰なんですね。
『この世の中のひとりでも不幸な人のいる限り、自分も幸福にはなれないと思う事こそ、本当の人間らしい感情でしょうに、自分だけ、あるいは自分の家だけの束の間の安楽を得るために、隣人を罵り、あざむき、押し倒し、(いいえ、あなただって、いちどはそれをなさいました。無意識でなさって、ご自身それに気がつかないなんてのは、さらに怒るべき事です。恥じて下さい。人間ならば恥じて下さい。恥じるというのは人間だけにある感情ですから)まるでもう地獄の亡者がつかみ合いの喧嘩をしているような滑稽で悲惨な図ばかり見せつけられてまいりました。けれども、私はこのように下等な使い走りの生活においても、いちどや二度は、ああ、生れて来てよかったと思ったこともないわけではございませんでした。いまはもうこのように疲れ切って、自分がどこにいるのやら、それさえ見当がつかなくなってしまったほど、まるで、もうろくの形ですが、それでもいまもって忘れられぬほのかに楽しい思い出もあるのです。』
昨日は木下巽さんもみえていました。この朗読会は初だそうです。
オルテンシアでのコンサートで“葉桜と魔笛”の素語りを聞いていて、「“葉桜と魔笛”は分かるが、“貨幣”を素語り出来るのは凄い」と絶賛でした。
原さんとしばらく歓談していましたね。そのふたりの姿がとても美しく綺麗に感じました。

また、この作品と“人間失格”とのつながりも木下さんは大事な部分のようなことを話していましたね。
とにかく、今年も開催してくださった白川さんと原さんに感謝、今年も何だか特別な6月19日となったように感じます。
原さん、本当に素敵でしたね。最高の朗読会でした。

そして、原さんのお着物は、太宰の写真で有名なバー・ルパンのおかみさんからの贈り物だそうです。
そして、今朝岩木山は望めませんでした。

“貨幣”の朗読の余韻をまだ感じます。
“貨幣”を選択したのは白川さんの希望だったようです。

会場に掛けられた貨幣パネルに添えられた言葉、

そして、「葉桜と魔笛」で感動した原さんの“素語り”での“貨幣”でした。
作品は、貨幣から見た人間が描かれています。そして貨幣は当然女性ですね。原さん曰く「わたし」。
「異国語においては、名詞にそれぞれ男女の性別あり。然して、貨幣を女性名詞とす。」
から始まります。
この作品、出だしはとても身近な作品のようにも感じていましたが、原さんの素語りにどんどん入っていくと、とても大きな舞台での語りのような、スケールの大きい舞台を見ているような気分に感じます。
貨幣が次々と持ち主が変わっていくことで、その“わたし”が太宰なんですね。
『この世の中のひとりでも不幸な人のいる限り、自分も幸福にはなれないと思う事こそ、本当の人間らしい感情でしょうに、自分だけ、あるいは自分の家だけの束の間の安楽を得るために、隣人を罵り、あざむき、押し倒し、(いいえ、あなただって、いちどはそれをなさいました。無意識でなさって、ご自身それに気がつかないなんてのは、さらに怒るべき事です。恥じて下さい。人間ならば恥じて下さい。恥じるというのは人間だけにある感情ですから)まるでもう地獄の亡者がつかみ合いの喧嘩をしているような滑稽で悲惨な図ばかり見せつけられてまいりました。けれども、私はこのように下等な使い走りの生活においても、いちどや二度は、ああ、生れて来てよかったと思ったこともないわけではございませんでした。いまはもうこのように疲れ切って、自分がどこにいるのやら、それさえ見当がつかなくなってしまったほど、まるで、もうろくの形ですが、それでもいまもって忘れられぬほのかに楽しい思い出もあるのです。』
昨日は木下巽さんもみえていました。この朗読会は初だそうです。
オルテンシアでのコンサートで“葉桜と魔笛”の素語りを聞いていて、「“葉桜と魔笛”は分かるが、“貨幣”を素語り出来るのは凄い」と絶賛でした。
原さんとしばらく歓談していましたね。そのふたりの姿がとても美しく綺麗に感じました。

また、この作品と“人間失格”とのつながりも木下さんは大事な部分のようなことを話していましたね。
とにかく、今年も開催してくださった白川さんと原さんに感謝、今年も何だか特別な6月19日となったように感じます。
原さん、本当に素敵でしたね。最高の朗読会でした。

そして、原さんのお着物は、太宰の写真で有名なバー・ルパンのおかみさんからの贈り物だそうです。
そして、今朝岩木山は望めませんでした。
daza
赤太郎さん。
素敵なブログをアップしてくださり、ありがとうございます!
窓を背景にした写真きれいですね。
原さんの写真を撮れなかったので、このブログをリンクしてもよろしいでしょうか。
素敵なブログをアップしてくださり、ありがとうございます!
窓を背景にした写真きれいですね。
原さんの写真を撮れなかったので、このブログをリンクしてもよろしいでしょうか。
赤太郎
こちらこそ勝手に写真使っていました。何時もすみません。
携帯で撮ったのですがとてもいい感じに写っていました。
リンクの件もこのブログでよかったらお使いください。
本当に素敵な朗読会でした。何時までも続けてくださるようお願いします。
携帯で撮ったのですがとてもいい感じに写っていました。
リンクの件もこのブログでよかったらお使いください。
本当に素敵な朗読会でした。何時までも続けてくださるようお願いします。
2013/06/20 Thu 21:34 URL [ Edit ]
原きよ
赤太郎さん、今年もお越しくださり、ありがとうございました。本当に、あの日のあの場所での朗読は、私にとっても特別なものになりました。作品世界を皆さんと共有できる、最高の時間です。今回、「貨幣」を白川さんに提案していただいたときは、台本を手から離すことは考えていなかったのです。でも、貨幣である私として作品を読み解くうちに、これはやはり、私「貨幣」の純粋な語りとして、台本を介在せずに、皆様にお話したいと思ったのです。 この機会を与えてくださった白川さんに感謝、時間をともに過ごしてくださった皆様にも感謝です。
私のブログにもリンクさせてくださいね。
私のブログにもリンクさせてくださいね。
2013/06/23 Sun 09:27 URL [ Edit ]
赤太郎
コメント有り難うございます。
今年は会場に入る直前に“貨幣”を読んで入場しました。
毎回会場の配置が変化していますが、年重なる毎に積み重なっているように感じます。今年は居心地が良かったですね。あっという間の時間でした。
そして、いまポケットに入っているお札が、いったい何を見て私のところへ来たのかと少し想像したりしています。
本当に有り難うございました。
今年は会場に入る直前に“貨幣”を読んで入場しました。
毎回会場の配置が変化していますが、年重なる毎に積み重なっているように感じます。今年は居心地が良かったですね。あっという間の時間でした。
そして、いまポケットに入っているお札が、いったい何を見て私のところへ来たのかと少し想像したりしています。
本当に有り難うございました。
2013/06/23 Sun 21:19 URL [ Edit ]
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