2009.10.13 映画“斜陽”
青森サンロード地下の松竹アムゼでは映画“斜陽”が上映されています。秋の公開として今月3日から再上映、初日は秋原監督の舞台挨拶もあったようです。
昨日“ヴィヨンの妻”を観に青森まで行ったのは、“斜陽”も併せて観ることが出来るからです。
斜陽52_512
この作品は、没落していく一家を現代風にアレンジして描いたものですが、没落の心境が上手く伝わってきません。現代風にしなかったほうが良かったかもと思いますし、配役も合っていない様に感じます。かず子が健康的すぎていますし、周辺にもはっきりしたメッセージが無いです。
生誕100年記念なのですからもっと周辺の人間に太宰を意識させても良かったでしょうし、製作費の不足を感じてしまう出来に少し残念です。
太宰の代表作なのですからみんな期待していたでしょうし、がっかりした方も多いと思います。この映画を観て、原作を読んでみようとは思わないでしょう。
70分の短い上映時間でまとまってはいますが、この“斜陽”を映画にするのは難しいとすれば、太宰治は上手い作家なのだと思いますし、映画“ヴィヨンの妻”もすごいなと感心します。