2009.10.12 ヴィヨンの妻
太宰治原作、一昨日から公開されている“ヴィヨンの妻?桜桃とタンポポ?”、今日観てきました。

モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞を受賞したことを随分とPRしています。
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大谷=太宰ですが、原作以上に太宰治のイメージが入って、生誕100年を記念した映画であることが感じられます。出だしの後生車を回す場面は“思い出”、前半は“ヴィヨンの妻”をほぼそのまま使っていますが、途中から他の作品を組み入れて、最後は“桜桃”そして“ヴィヨンの妻”の「生きていさえすればいいのよ。」でしめられます。
“愛の物語”ですが、“美しい女性の物語”の方が相応しいと思います。愛にこだわるなら“究極の愛”ですか。走れメロスの友情にもひけない女性の愛情の物語ですね。こういう夫婦に憧れてしまいますね。借金、酒、女、そして家には帰らない。でも、妻には支えられる。
こんな夫婦に憧れるから、いろいろ問題が起きちゃうんですねぇー。あーあ。

ストーリーの途中、ささいな場面で目頭が熱くなり、丁寧さを感じます。
私は映画はあまり観ないのでよく分かりませんが、小説を2時間の映画に仕上げるのってたいへんな仕事ですね。