今日から3日間は私にとって、太宰治な3日間となります。

芦野公園太宰文学碑前で行われた“生誕100年記念祭”へ。
例年でも“生誕祭”は多くの太宰ファンが訪れるのですが、今年は若い人が多いように感じました。
園子さん、銅像を製作した中村さん、知事のすがた。
生誕祭86_512

除幕式となり、いよいよ太宰像が現れました。見上げるような存在感あり文学人らしさが感じられる立派な銅像がお披露目となりました。
生誕祭88_512
園子さんは、「太宰も雲の上で友人に囲まれ祝杯を挙げている」と挨拶、以前は銅像建立には控え目だったそうですが、酒と太宰の関係までが、何だか影みたいなものがはがれてしまったように聞こえたのは私だけでしょうか。

もちろん文学碑に献花され、太宰を偲びます。
生誕祭89_512
3時30分からは祝賀会が行われますが、もちろん出席なんかできませんが、もっと行きたい場所があるのです。

“津島家新座敷”での原きよさんの朗読会“朗読の会 新座敷で初めて太宰を聴く”へ。
原きよ97_512
実は定員いっぱいだったのですが、「キャンセルがあったら何とか」と入口で祈るようにネバって入ることが出来ました。
35人の定員は、ゆっくりと朗読を聞くことが出来るスペースです。
原きよ90_512
この催しは規模は小さいのですが、太宰が22の小説を執筆した仕事部屋での朗読会ですから、太宰ファンには堪らなくうれしい企画だと思いますし、原さんの朗読が一節々がとてもテンポ良くこころにひびきます。
原きよ96_512
“庭”と“やんぬる哉”の2作品は太宰がこの新座敷で疎開生活をしていた時の作品。私は読んだことの無い作品ですが、読書習慣の無い私は、この朗読のほうが全然素直に捉えることが出来るようです。“やんぬる哉”の最後の落ちにみんなの小笑いが揃っていて会場の一体感を感じます。
休憩後第2部、代表的作品“魚服記”は、小田川上流のの“藤の滝”を舞台にした物語で、原さんの声がとても作品の少女スワを美しく膨らませます。文字で読むよりもっと大人のスワがイメージされます。ただ、この小説の内容を理解するには難しいですが。

原きよさんはイメージしていたよりもとてもチャーミングで素敵な方でした。
昨日原さんは12本ヤスや七ツ滝、魚服記に出てくる“まはげ山”などを訪ねたそうで、朗読の中に昨日覚えたという津軽弁も使っていましたし、この場所で朗読できたことを喜んでいましたから、聞くこちらもうれしくなります。

原さんは明日太宰検定を受験するそうです。